DPC対応統合型医療データベースと
実装インターフェース例:病棟管理システムの概要
○豊原 範子1) 伊藤 康浩1) 辻 一起子2) 米谷 裕之2) 北條 博一2)
医療情報処理ネットワーク1)
大阪歯科大学口腔診断学講座2)
Open source integration type hospital information system
○Noriko Toyohara 1) Yasuhiro Itou 1) Ikiko Tsuji 2)
Hiroyuki Kometani2) Hirokazu Houjou2)
Medical Information Engineering Networks1)
Department of the Oral Diagnosis,
Abstruct: We entitled, "Open source and integrated hospital information system", and proposed the C/S type hospital integration system that took open source system data as part of an integrated system environmental making last year. Act for Protection of Computer Processed Personal Data held by Administrative Organs enforces the country, and the document management that values the privacy protection becomes an important problem. In each hospital, it is very difficult though the unitary management execution of the data that has been updated every day is a pressing need. We integrated documents being offered as data on the Internet, and made the ward management system as one example of the interface that mounted the integrated medical treatment data base based on the preparation to make the data base to use it effectively and DPC at current year.
Keywords: Medical Informatics, Open Source System, Hospital Management, Input Standardization
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我々は1992年の医療統合システム発表以来、個別システムの開発を行い、昨年は「オープンソース統合型病院情報システム」と題して、統合システム環境作りの一環として、オープンソース系データを取り入れたC/S型病院統合システムを提案した。個人情報保護法が施行され、プライバシー保護を重視したドキュメント管理が重要な課題となっている中で、日々更新されているデータの一元管理は各病院とも急務でありながら、非常に難しい状態である。本年度私達は、インターネット上でデータとして提供されているドキュメント、厚生労働省関連の通達・報告書を始めとして、ICD関連コード、DPC関連、財団法人医療情報システム開発センター(MEDIS)が提供している標準マスター、社会保険診療報酬支払基金が提供しているレセプト電算処理システムの各コード、日本臨床検査医学界が制定した臨床検査項目分類コード(JLAC10)、薬剤データベース、日本医療機器関係団体協議会がこれまでのJAN(JapaneseArticalNumber)をUCC/EAN-128で統一するためにまとめた医療材料商品コード・バーコード標準化ガイドラインを元にした 財団法人 流通システム開発センター/流通コードセンターの流通POSデータベースサービス(RDS)等を統合し、有効利用するためのデータベースを作成するための準備として、また、DPCに基づいた総合型医療データベースを実装したインターフェースの一例として、病棟管理システムを作成した。ここでは、統合システム全体構造及び個別システムの一例としての病棟管理システム設計骨子を発表し、病棟管理システム詳細は別演題として発表する。
2設計
2.1 サブシステム
今回のシステムでは、昨年のサブシステム構成を修正して以下の様にし、サブシステムごとにデータフロー解析・テーブル設計を行い、一例としてナーシングシステムの病棟管理システム構築を行った。
@ データメンテナンス(外部データの取込)
A マスターデータ(病院固有データ)
B トータルデータ管理(外部データと病院固有データの統合)
C 人事・給与管理
D 経理・会計
E ナーシングシステム(各種サブシステムを含む)
F オーダリングシステム
G レセプト管理システム
H 原価管理システム
I 電子カルテ
J 病院シミュレータ
K 診断支援コンサル
L セカンドオピニオン・評価
M 医療従事者教育用シミュレーション
2.2 病棟管理システム
ユーザーインターフェースは各システムにとって使いやすさ、利用効率を決定する大きな要因となる。本年度我々は、ナーシングシステムの一部である病棟管理システムを作成した。病棟管理システムは、データフロー関連図(参照:図1)を見ると、さらに小さなサブシステム部分に分けられることがわかる。
2.3 病棟管理システムの処理フロー
外来から医師が病床予約入力をし、そのデータは一旦マスターデータに蓄積される。病棟ではそのデータを元にした病床入院予約画面が表示され、別ウィンドウで入退院・転床時刻入力をする。別のサブシステムでは看護師勤務予定画面で婦長が予定を入力をし、そのデータを元に主任が看護師の実出退勤時刻を入力する。入院予約時に医師が入力したDPC詳細番号を元にDPC点数表記載の標準入院期間を検索し、入院と同時に病床入院予約データには退院予約・転床予約も入力され、入院予約画面/実入退院・転床時刻入力画面で色分けした図として表示される。
バリアンスが存在する場合や患者個別のオーダーが存在する場合は、オーダリングシステムのデータから患者別看護予定がBトータルデータのトランに入力され、患者別看護実施予定者入力に転記される。患者別看護予定からは、ボタンクリックで準備医薬品・医療材料・機器・用具が別画面として表示される。看護経過記録は各看護師が看護観察・スタンダードケア・プログラムドケアのサブシステムから入力することで患者別実使用医薬品・医療材料・機器・用具を割り出して個別表示する。日別医薬品・医療材料は、既定在庫量との差分を各販売会社に注文するサブシステムに繋がり、日別準備用具はリネンサプライ外注サブシステムにつなぐことも可能になる。
2.4 病棟管理システムのクエリ・SQL/テーブル定義
マスターは、できるだけ沢山のレコードを少しでも早く処理する為単純化されているが、データフローを元にして画面設計をしながらクエリ・SQLを見直すと処理種類の多様さに圧倒される。ユーザーにとって使い易い病棟管理システムを設計するには、病棟で行われている行為を標準化してシステムにするのが最良の方法であるが、すべてを網羅しようとして機能を豊富にすると、今度はメニューが煩雑になり、システムとしては使いにくいものになってしまう。瞬時に判断して処理・作業することを要求される病棟では、プルダウン選択メニューにも入力回数カウントをつけて利用頻度の高いもの順にソートして表示する機能が今後必要になると思われる。
3結論
このシステムは、現時点で公開されているデータを網羅する形で作成している。公開データの追加・変更があった場合、ある程度対応できるようにデータメンテナンスシステムは設計されているが、大きな変更があった場合にはシステム設計も見直しが必要となる。このシステムは、各病院がこの手法を使ったシステムを導入することで、今後戦略的経営手法を利用して病院経営効率化を図ることが可能になり、非常に有用な手法であると確信する。

図1 処理フロー関連図(病棟管理システム)
参考文献
[1] 豊原範子他:オープンソース統合型病院情報システム、第24回医療情報学連合大会論文集、2004